腎盂炎とは
通常私たちの尿及び尿路は無菌状態です。
尿道口は外と接触しており、そこから多少の細菌等が進入する場合もあります。
しかし大概それらの細菌等は、新たな尿を排出することで洗い流されてしまいます。
そのため、細菌等は繁殖することはありません。
しかし、大量の細菌等が進入または自身の免疫力が何らかの原因で低下している
などの場合、その細菌類が繁殖してしまうことがあります。
尿道口→尿道→膀胱→尿管→腎盂という経路で、大腸菌やブドウ球菌等の
細菌類が広がってしまった状態を腎盂炎といいます。
腎盂炎には急性腎盂炎と慢性腎盂炎があります。
急性腎盂炎は、39度以上の高熱と悪寒が襲います。
また、血尿や混濁、腰痛、膀胱炎の炎症などに悩まされるケースもあります。
急性段階で早期に病院等で適切な治療を行うと比較的早く治る病気です。
それを放置していたり、また尿管結石や前立腺肥大、常習性便秘など
により、尿の流れが停滞していると、慢性腎盂炎に陥る可能性があります。
慢性化すると、継続的な微熱、頭痛、腰痛、倦怠感が顕著に現れます。
腎盂炎は膀胱炎同様、慢性化しやすいので、少しでもおかしいと思ったら
早めの病院での検査が必要です。
腎盂炎の治療法
腎盂炎の治療法ですが、安静、保温、水分補給、この3つが一番大事です。
まず「安静にする」ですが、実はカラダを横にしているときが最も
腎臓への血流量が多いとされています。
血流量を増やすことで、腎臓機能の回復を早めることに期待が持てます。
次に「保湿する」ことですが、カラダを冷やすと腎臓への血流量が減少します。
防寒や夏期のクーラーにも注意しましょう。
最後に「水分補給」ですが、水分摂取により排尿を促して、それにより
細菌等を流してしまうことが重要です。
排尿が滞ると細菌が繁殖してしまいます。
摂取量としては1日に1.5リットル以上の水分を取るようにしましょう。
また、病院では尿自体が酸性に傾いているため、クエン酸ソーダなどで
アルカリ性にすることもあるそうです。
食事は低刺激のものを選び、アルコールは摂らないようにしましょう。
通常1〜2週間で治りますが、再発防止のため定期的に
尿検査を行うことが望ましいと思います。
自己流で治療を止めてしまうと、慢性化する可能性もありますので、
必ず専門の医師に相談してください。