官民の就職支援対策
政府の就職支援対策を見ていきましょう。
就職支援政策は内閣官房の「再チャレンジ担当室」で行われています。
これは、安部元総理大臣の頃に作られたものです。
公務員の採用枠の中に、ニートやフリーターの人用の採用枠を増やしたり
企業に対する優遇措置対策によって再チャレンジ者の支援をしたりしています。
例えば大卒後の就職に失敗した人や、その後の就学に失敗してフリーターなどに
なってしまった人であっても、何度でも新たにチャレンジができるというものです。
また、厚生労働省の就職支援対策としては「若者自立塾」が有名です。
3ヶ月から6ヶ月の間、自立を目指す若者達が一つの施設で一緒に暮らしながら、
仕事の心構えを身に付けたりワークショップを行ったりするものです。
若者自立塾にかかる費用は10万〜40万円かかりますが、
部分的に自己負担となります。
約70%の修了生を6ヶ月以内に就職させることが厚生労働省の目指すところです。
今のところ半分の塾生が就職を果たしています。
若者自立塾を運営するNPO法人からは、
期間延長等の更なる改善をすべきであるとの意見も挙がっています。
文部科学省はニート増加の原因が、若者の職業観・就労観の低下にある
との判断をしています。
そこで、就業意識を高めるためのプログラムを主眼に置いて
文部科学省は計画を立てています。
職場体験では近くのスーパーや保育所などで実際に働いてみたり、
生徒の総合学習で予防学習を行ってみたりといったプランが作られています。
このように各省庁によって独自に就職支援対策が行われているため、
効果は思ったより出ていないのが現状です。
今後、政府・各省庁が一丸となって就職支援対策をすることが必要です。
ワーキングプアという問題
ワーキングプアとは、正社員並みあるいは正社員として働いているにもかかわらず、
給料が安すぎて、毎日の生活もままならない状況にあることです。
直訳すると「働く貧困者」という意味です。
現在の経済環境により、今までは1年に1回は定期昇給があったものが
なくなっている企業が増えています。
年齢を重ねるごとに子どもの養育費や医療費など出費がかさんでいくのに対し、
給料が上がらないどころか下がる場合もあり、
相対的に貧困層になっていくわけです。
この問題は、今までとは異なる新たな貧困のパターンとして
クローズアップされています。
このワーキングプアやフリーターの問題を解決することが、
就職支援対策につながると思われます。
しかし解決するといって企業や政府が対策を立てたとしても、
最後に決めるのは本人です。
働く本人が将来を見据えて計画を立て、
それを企業や政府が支援していく形が望ましいと思われます。